DIVA


木陰に砂糖菓子のような
駅をつくって
少女は列車を待っていた

関連づけられるものと
関連づけられないものとが
交互に、時には順序をかえて
やってくる
皮膚に触れば
それは風のことだと思う

力なく首のくずれる子犬は
数少ない死の経験であり
やがてはそのうちのひとつ
になるにちがいなかった

列車が来るまで
少女は歌った
楽しげな童謡もあったが
知っているすべてを歌った