memo2

学習机の上で勉強されているのは パラジクロロベンゼンパラジはパラダイス クロロは苦労人 ベンゼンはベンゼン大使 みな、一様に春を待ってる勉強しているのは ナオミキャ・ンベルナオミキャは浪岡修平 ンベルはとどのつまり 明日からきっちりと春である浪岡…

memo

学習机の上で 勉強されているのは パラジクロロベンゼンパラジはパラダイス ジクロロは苦労人 ベンゼンはベンゼン大使 みな、一様に春を待ってる勉強しているのは ナオミキャ・ンベルナオミキャは浪岡修平 ンベルはとどのつまり 明日からきっぱりと春である

その海から

眠っている人の まぶたを押して歩くみな安らかな寝顔なのに 淋しさや悲しみの類の 答えが返ってくる屋根に星屑が 降り積もる音がする 明日の朝までには 溶けるのだろう +メニューに 僕の名前が書いてあった隣の人が僕を注文したので こちらへどうぞ と店員に…

その海から

詩群「その海から」、久しぶりに続きを。100まで書くつもりだったので。 駅名の無い駅で ベンチに座り 来るはずのない人の名を 待っている 今日は言葉の代わりが 見つからないので チューリップの絵を描いて 終日過ごす

メモ

右手の人差し指に竹輪が刺さって 抜けなくなってしまった ぼくはとても竹輪が嫌いなので 食べるわけにもいかない 仕方なくそのままデートに出かけたけれど あいにく恋人も竹輪がとても嫌いなので 食べてもらうわけにもいかず 始終不機嫌な様子だったので 道…

ここ久しぶり

放置してたけど、また適当にメモ程度に。 こんにゃくを買いに行った いつも行くスーパーは売り切れだった 少し遠くのスーパーにも売ってなかった 少し遠くの他のお店にもなかった 昨日まではあんなにありふれていたのに 一晩でこんにゃくは皆どこかに行って…

ベランダ

母さんの中を 金魚がぷかぷか泳ぐ 雲の柔らかさ 産地とはおしなべて そんなところなのだと思う母さんの背中 バズーカ砲つけたら 悪いロボットみたいだ だから僕たちは 誰も殺しちゃいけない 約束された沈黙のために母さん、走るよ、見てて、 てててててー 走…

今日は夏休み。

母さんの中を 金魚がぷかぷか泳ぐ 今朝から物干竿では 行方知れずの自転車が 干からびて涼しい 母さんの背中 バズーカ砲つけたら 悪いロボットみたいだ だから僕たちは 誰も殺しちゃいけない 何も語らないために 母さん、走るよ、見てて、 てててててー 見て…

へび

朝起きて、俺 ヘビと戦った その日はとにかくひどい洪水で 俺の大事にしていたポシェットも流され 銀行などの床も水浸しになり 家の冷蔵庫は野菜室まで水が入り込み それでも、俺 ヘビと戦った ヘビは鎌首をもちあげ 毒があるのかないのかは 種類がわからな…

いろいろと

人はセミになれない 遺言を残すことに とても忙しいから+縁側でキリンの幽霊が 夕涼みをしている 動物園に帰りそびれて+モノレールが虹をくぐり抜ける 泣きじゃくる運転士を たった一人乗せて+骨を拾っていると 誰のものかわからなくなって 鎖骨のあたりを押…

家電

21〜2425 ウィルスに感染したパソコンも母は叩いて直してしまう。

いろいろ

口が間違ってる 何も無い ただ薄暗いフライパンで 僕らはまだ浅い性器を 這いずりまわした 海岸線の潮風に乗って 蝶はどこまで 飛ぶつもりなんだろう 駅長、あのTシャツは息絶えてます、と 赤ん坊は夢の中で 業務日誌を書き終えた18 岸辺にうち上げられた蛍…

家電

14 風に乗れなかった紙飛行機が一機、エアコン売り場の床に墜落している。15 このゲーム、2と3では使えるゲーム機本体が違いますけどお孫さんはどちらが欲しいと言ってました?と店員に聞かれて、財布のお金を数えているおばあさんの手から落ちた手書きの…

家電

12 掃除機に鎖をつけて散歩させている男の背中から生えている翼は、空を飛ぶには退化しすぎているようだ。13 祖父の愛用していた鉱石ラジオを珍しそうにひと舐めして、オオアリクイは別のアリ塚を探しに行った。

家電

09 近所の電気屋さんに「タイムマシーン売切」の貼り紙が出てからもう七百年が過ぎた。10 洗濯機にアメフラシが住み着いたので今日から洗濯物は紫色に染まります、と朝の家族会議で妻は口火を切った。11 すべてのものはいつか必ず土に還るのだ、と信じて、古…

いろいろ

05 テレビの中から自分の名前を呼ばれている気がして振り返るけれど、まだ家に帰る途中の上り坂だった。06 冷蔵庫の中から出てきた子供たちが行儀良く列をつくり、中庭でチューリップになって咲き始める。07 生まれてからひたすら乾電池を食べ続けた男が最後…

家電

03アイロンの代わりにコンニャクをかけると、誰かが出口で待っていてくれる気がする。04 空を飛んで行くドライヤーの群れを眺めながら、化粧の上手くなった君が生まれ故郷の見取り図を描いている。

書きかけ

なんか、もうちっと淡々と書いたほうが良さげかな。くにゅくにゅ列車が 小さくて古いバス停から 駝鳥を三羽乗せて行った 駝鳥たちが仲良く キャラメルを分け合っているのが 窓の外からも何となくわかった わたしも乗りたいな と小さく言う妹の手を引いたまま…

家電

01 冷蔵庫売り場の前で火遊びをしている少年のシャツは裏返っていて、肌がまぶしい。02 扇風機の真似をして首を振る君の羽が朝から壊れているのでたいそう困っている。

図書館物語

2425 雪が降った日は、図書館に来ている人みんなで雪だるまを作るけれど、名前を何にするか決める前にいつも融けてしまう。25 春になると図書館の周囲一面はきれいなお花畑になって、時々軽い怪我をする人がでてくる。26〜27

図書館で拾った一文

11 図書館の一階フロア南西角はタイル一枚分が海になっていて、そこだけ「遊泳禁止」の看板が立っている。12 図書館は駅から歩いて五分です、という案内を見た人から、走れば何分ですか、とか、雨の日は傘立てがありますか、とか、私はどうしたら良いのでし…

図書館で拾った一文

05 図書館が休みの日、館長は網と虫かごを持って野原に昆虫図鑑を捕まえに行き、次の日にはいつも、もう昆虫図鑑は要りません、と副館長に叱られる。06 泥棒は図書館にあるすべての書籍を盗んでしまおう思ったが、海の大好きな子どもがいると可愛そうなので…

図書館で拾った一文

01 図書館にパンが落ちていたので男は拾って食べたのだが、それはパンではなくムカデの足だった。02 図書館の大砂漠で遭難した司書は一週間後に救助され、その翌年には大統領になったが、死ぬまで左側に物を置かなかった。03 図書館で借りてきた本を途中で読…

いろいろ

05 テレビの中から自分の名前を呼ばれている気がして振り返るけれど、まだ家に帰る途中の上り坂だった。06 冷蔵庫の中から出てきた子供たちが行儀良く列をつくり、中庭でチューリップになって咲き始める。 くにゅくにゅ列車が 小さくて古いバス停から 駝鳥を…

何か書く

冷蔵庫の中を クジラが泳ぐので 朝からジュースが飲めない のだが、扇風機の 掃除をしているうちに 付け合せの菜っ葉は 鮮やかに茹であがり もう夏ではない、と 人が三人おしゃべりする

下書き

伸ばした舌の先に ビルがある 冷たい窓枠の、震える 階段のない腕で わたしたちは穴を掘った 積乱雲の静寂に 茂る葉が わたしたちのホームあと少し、かな。

続き

台所で人形を洗っていると まだ生きた人しか洗ったことがないのに 自分の死体を洗っている気がして かわいそうな感じがしました 列車が到着したので あまり混んではいなかったけれど 代わりに習ったばかりの 笹舟を浮かべておきました すでにお義父さんは乗…

書きかけだけど

台所で人形を洗いました まだ生きた人しか洗ったことがないのに 自分の死体を洗っている気がしてきて かわいそうな感じがしました 列車が到着したので あまり混んではいなかったけれど 代わりに笹舟を浮かべました どこか前の駅から すでにお義父さんは乗っ…

紙の水面から沈んでいく 鋼鉄の季節、眼はあなた 乾いた舌で皮脂の 履歴が記された頁を朗読する 対岸にある排水機場の細かい部品が 錆びて赤茶けていく、その過程 時間はあなた

拡散

砂漠の真ん中に ペンギンの死体があった 拡散する光の祝福を受けて 左右非対称に腐れていた 年老いた男はか細い腕で 窓を閉めた 風で砂が入ってこないように