いろいろ

05
テレビの中から自分の名前を呼ばれている気がして振り返るけれど、まだ家に帰る途中の上り坂だった。

06
冷蔵庫の中から出てきた子供たちが行儀良く列をつくり、中庭でチューリップになって咲き始める。


くにゅくにゅ列車が
小さくて古いバス停から
駝鳥を三羽乗せて行った
駝鳥たちが仲良く
キャラメルを分け合っているのが
窓の外からも何となくわかった
僕は妹の手を引いて河原を歩いた
途中、雑草のようなスミレの花を
母のために摘んで帰った
母はとても喜んでくれて
優しく痩せた手で新聞紙にくるみ
多分大切にしてくれると思った
疲れたでしょう、バターをお舐めなさい
と母はバターと匙を持ってきたけれど
血の味がするから、と
妹は少し嫌々をした