復旧

本館、復旧しました。
 
○なんとなく
牛がいると僕は平和になる
反芻が偏西風の速度を穏やかにする
牛は牧草地帯を滑走するソリを食み
いいのだろうか、僕は傷の無い便箋を空に投げる
僕の春はいつも談合される
牛飼いが牛の記憶を朗読する
その向こうの岸壁では僕の大事な人が
空を飛ぼうとしている