しばらく


「夢の超特急」

スピードは味覚より速い
どぶ板を踏み外しながら走る
窓の外を流れていく風景は君に似ていて
どこか一箇所ずつ間違ってる
ビュッフェのメニューはすべてメニュー
メニューをオーダーすると出てくるメニュー
ウェイトレスはウェストの話をすると三時間泣きっぱなし
愛という言葉に弱いので運転する運転士


口をふさいだ人と
耳をふさいだ人が
ただ見詰め合ってる

そうきみが教えてくれた
目をふさいでいるぼくに

冷え性のきみの手が
ぼくの身体のどこかに触れていて
少し温かくなっている

何も見ない
ということはとても簡単で
とても遠い
最初にあきらめたのは
ぼくの方

しかしまあ、我ながら出来の悪さにびっくり。
しばらく詩は書かないでおこう。
どうせ二,三日だろうけど。