昨日まで18個


愛は海よりも
深い
たとえ遠浅でも
海は海だ
愛が愛であるかは
別として
 

機械を拾いに
広場に行く
思ったより落ちていたのは
機械化が進んでるからだろうか
拾ったのを持ち帰り
きれいに磨いて
きれいに庭に埋めていく
 
最初の頃とくらべると作風が変わってきた。
いかんいかん。
ただいま23個。あと73個。
今日は限界か。
ギャラリーのいない僕の戦いは続く。
 

足がたくさん生えていたので
あるだけの靴やサンダルを
履かせていく
それでも足りなくて
近所の靴屋に買いに出かける
途中一足拾って
少し得した気分
どこに生えていたのか
なんて余計なことは考えずに
買い物は続く
 

誰にも届けられなかった
花束が
空を飛んでいる
スズメやカラスが
群がって突っつく
しばらく見ていたけど
他に珍しい鳥は
現れなかった
 

いつのころからか
目の中に住み着いた
雨のように鳴く虫
涙を餌にしているようで
最近すっかり
涙が零れなくなった
人でなし、と
散々罵られる
雨の音は
きみには聞こえないらしい
 

弁当箱の
裏についた
米粒のあたりに
あった
宇宙の423番地
 

あの奇麗な色の
ジュースを飲めば
奇麗になれる
かもしれないのに
いつも十円足りない
 
あと82個。何の意味があるのかもわからない。