今日もいきます


朝、棚の上で
人形が倒れていた
昨晩小さな地震があった
ふと目が覚めて
気にも留めなかったが
人形が倒れるには
それで充分だった
家の者が起きてくる前に
もとにもどしておくと
地震のことには
誰も触れなかった
 

夜の更ける頃
君の身体から
今までに聞いたことの無いような
音が聞こえてきた
安らかに君は君の中で
溺れているのかもしれなかった
 

メニューにあった
自分の名前を注文する
似ても似つかない
ハンバーグが出てくる
隣の席では
近所のオランダ人が凄い剣幕で
ウェイターに何かまくし立ててる
オランダの言葉はわからないが
多分彼も泣きたいのだ